ま え が き
・・・
さてこのテキストはいろいろな要望に答えられるような,次の特徴を持たせている:
(T)形式的方面から:
(1)高等学校で,数学I,II,A,Bの科目を学習していることを前提にした.しかし,それらを学習していない人に配慮し,そして大学との接続がスムーズにいくことを考慮して,それらの内容も必要に応じて取り入れた.
(2)半期15回の講義を想定して,節の総数を1章から5章までで15にした.また講義内容をさらに充実させることができるように,補講を6章に加えた.講義の内容,レベルなど,柔軟に対処できるようにした.
(3)理解の度合いを自らチェックできるように,それぞれの節に練習問題を入れ,問題の解答(略解)をつけた.
(4)まちがいやすい箇所にはキケン
! マークを置き,誤解されないように工夫をした.
(5)それぞれの節に関連する コラムを入れた.
(U) 内容的方面から:
(1)講義のテキストとして使用されることを目的としたが,自習で学ぶことができるように,できる限りていねいな説明とわかりやすい表現に心がけた.
(2)高等学校での学習とオーバーラップさせて接続をなめらかにしたつもりである.
(3)それぞれの章,節の初めに,そこで学ぶ目的,内容を述べた.
(4)例題を通して学習している内容が理解できるようにした.
(5)難しい内容には触れないで,図を利用して感覚的に理解しやすいようにした.
(6)微分積分学では学習する内容が多い.15節の中に入り切らない必要な部分は,6章「補講」に入れた.教科書として使用するときは,必要に応じて6章をうまく利用して頂きたい.
(7)定理などの証明は,理解が可能と思われるものは入れた.それ以外は「補講」で説明した.
(8)問題は基本的なものにした.証明,説明,問題など難しいと思われるものには#印を付けた.#印のところは理解できなくても何も問題はないが,
できるだけ挑戦して理解するようにしてほしい.
本書への追加や修正等は次のウエッブページに随時掲載するのでご覧頂きたい.
http://mathweb.sc.niigata-u.ac.jp/textbook
2005年 夏
著者一同
目 次
1. 数列と関数
1.1 数列と級数,
1.2 初等的な関数,
1.3 連続関数?
2. 1変数関数の微分
2.1 微分係数と導関数
2.2 合成関数の微分法,逆関数の微分法
2.3 平均値の定理とロピタルの定理
2.4 関数の増減,極大・極小,高次導関数
3. 1変数関数の積分
3.1 不定積分
3.2 種々の関数の不定積分
3.3 定積分とその応用
4. 2変数関数の微分
4.1 2変数関数
4.2 2変数関数の微分
4.3 高次の偏導関数,極大・極小
5. 2変数関数の積分
5.1 2重積分
5.2 累次積分
6. 付 録
6.1 級数と平均値の定理
6.2 ライプニッツ の公式
6.3 テイラーの定理
6.4 広義積分
6.5 2変数の変数変換
問題略解
参考図書
索引
|